ピアノ調律技能検定 | 調律師から調律技能士へ
「ピアノ調律技能検定」は、ピアノの調律・調整・保守に関する知識と技術を評価する国家検定制度です。2011年にスタートし、厚生労働省の指定試験機関である当協会、一般社団法人日本ピアノ調律師協会(JPTA)が試験を実施しています。合格すると「ピアノ調律技能士」の国家資格(称号)を得ることができます。
ピアノ調律技能検定の目的は、ピアノ調律師が持つ「音を合わせる(調律)」「鍵盤の動きを整える(整調)」「音色を整える(整音)」といった総合的なメンテナンス技術を客観的に格付け・証明することです。これにより、技術者の社会的地位の向上や、ピアノ愛好家・音楽施設が安心して調律を依頼できる指標となることを目指しています。
試験は1級から3級までの3段階に分かれており、それぞれ求められるレベルが異なります。
- 1級(上級レベル)
- グランドピアノ(GP)およびアップライトピアノ(UP)のすべての調律、整調、修理、保守作業が完全にできる。
- 2級(中級レベル)
- アップライトピアノ(UP)の高度な調律・保守と、グランドピアノ(GP)の一部の作業ができる。
- 3級(初級レベル)
- アップライトピアノ(UP)の基本的な調律や保守ができる。
- アップライトピアノ(UP)の基本的な調律や保守ができる。
試験の内容
試験は「学科試験」と「実技試験」の2つで構成されており、両方に合格する必要があります。
1. 学科試験(マークシート方式)
ピアノに関する幅広い専門知識が問われます。
- 主な試験科目:
- ピアノ調律(ピッチ、平均律などの音律、張力計算など)
- ピアノの構造、機能、および製造方法
- 楽器や音楽に関する一般的な知識(楽典など)
- 材料の知識(木材、金属、フェルトなど)
- 関係法規(安全衛生など)
2. 実技試験
実際に用意されたピアノを使用し、制限時間内に指定された作業を行います。
- 主な作業内容:
- 調律: チューニングハンマーを使用し、弦の張力を微調整して正確な音程(音律)に合わせる。
- 整調: 鍵盤や内部アクションの動きを微調整し、タッチや弾き心地を均一に整える。
- 修理・保守: 消耗した部品の交換や、不具合の補修を行う
この資格は「名称独占資格」です。資格を持っていなくてもピアノ調律の仕事をすることは法律上可能ですが、現在では自分の実力を証明し、お客様に安心して依頼してもらうための重要なステータスとなっています。
合格者は「ピアノ調律技能士」という国家資格の名称を名乗ることができ、顧客や音楽業界からの信頼性を高めることができます。
等級 | 対象となるピアノとレベル受検資格の目安 | 合格証書の授与者 |
1級 | グランドピアノ(GP)およびアップライトピアノ(UP)の高度な調律・整調・保守ができる。実務経験7年以上など | 厚生労働大臣 |
2級 | UPの調律と、GPの一部の整調や修理ができる。実務経験2年以上など | 日本ピアノ調律師協会会長 |
3級 | UPの基本的な調律や、基礎的な修理・調整ができる。実務経験1年以上、または認定学校の在学生・卒業生 | 日本ピアノ調律師協会会長 |
ピアノ調律技能検定試験を受けるには、受験資格を確認した上で、当協会へ申請期間内に受験申請を行って下さい。
1. 受検資格の確認
等級(1級・2級・3級)ごとに、実務経験年数や学歴などの条件が定められています。
- 3級:実務経験が原則2年以上、または関連する学校・養成機関の卒業など。
- 2級:3級合格後の実務経験、または一定年の実務経験・学歴要件。
- 1級:2級合格後の実務経験2年以上、または長年の実務経験(7年以上)など。
2. 申請手続き
- 申請書入手:当協会の公式サイトからダウンロードするか、郵送で請求します。
- 受付期間:例年、1・2級は4月上旬~5月下旬頃、3級は時期が異なる場合があるため、最新のスケジュールを確認してください。
- 受検手数料(受験料):学科と実技それぞれに必要です。
詳しくは技能検定公式サイトをご確認下さい。